海外と日本の法律のチガイ

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海外と日本の法律のチガイ

ペット先進国の法律を見てみよう!

ペット先進国と比較した日本

ペット先進国に挙げられる国のルールと比べて日本のルールとどう違いがあるのか国別にご紹介します。

ペット先進国とは、動物の安易な生体販売とは真逆の存在で、国全体で動物が生きやすいよう法律がきちんと整備されている国です。

生体販売に対し厳しい法律が存在し、他にも犬猫はじめとした動物に関わる法律が数多くあり、細かい規定が定められています。

ただ、残念ながら日本はここには全く含まれません。

日本の動物に関する法律

現状、日本の犬に関する法律をあげると、主なものは2つ。

・動物愛護管理法 ・狂犬病予防法

みなさんご存知とは思いますが、

「動物をみだりに傷つけてはいけない」「狂犬病予防のために年1回予防接種と各市町村へ犬の登録をすること」を指しています。

法律がたったこれだけ。

少ない上に内容が大まかすぎて、実際には違反者が出ても厳しい処分がされない場合が多いです。

虐待や劣悪環境、ネグレクトなど、さらにはそれらが原因で死んでしまった場合でも、行政はそれも問題と認めないケースが非常に多く、

日本ではこの無責任体質な状態を、根幹から改善しなければならないという問題があります。

そこでまず、ペット先進国の法律を比較してみてみることで、今の日本の動物に対する価値観を感じていただければと思います。

各国の動物に関する法律

イギリス

子犬や子猫を、ペットショップなどのブリーダー以外の「第三者」が販売することを禁止する法律が2020年4月に施行。

パピーファーム=子犬工場(アメリカではパピーミルと呼ばれる)を無くすための取り組みの1つである。

新たに子犬や子猫(生後半年未満)を迎えたい方は、ブリーダーか保護シェルターのみ。事実上のサプライチェーンの排除となる法律です。

「ペットフィッシング」キャンペーンを実施しているイギリス。ブリーダーは販売する前に子犬たちが母親と一緒にいる姿を飼い主候補に見せることを義務付けています。早くに母犬から引き離されないためです。

フランス

犬猫の販売は禁止となりますが、動物保護団体の立会いのもと保護犬猫の紹介は可能となります。

保護犬猫の紹介ができるようにした背景は、ペットショップでの犬猫の販売を禁じることで、オンラインでの売買に伴う不正取引の増加を予防するためだそうです。

フランスではペットの遺棄が夏場に急増することから、2021年夏からペット保護啓発キャンペーンをフランス農業・食料主権省の主導で実施。

ドイツ

ペット先進国と言われる国の中でもトップクラスに挙げられるドイツ。国内全体で犬に対する意識が高く、子犬のうちからキチンと躾を行う背景があります。ドイツの犬に関する法律は大変種類が多く、その内容も細かいです。

日本との大きな違いとして挙げられるのが、ペットショップなどのような生体の陳列販売の禁止という法律である。

子犬は生後8週間経つまで母犬と離すの禁止とされており、また生後1歳になるまでは室内飼育を義務付けされています。

その後、屋外飼育する場合にも、犬小屋の広さ、綱の長さまで細かく規定がありますが、そもそも屋外飼育自体する人は殆どいません。

子犬を迎えたい場合、まず面会の予約が必須です。その上で、その人が飼い主としての素養があるかブリーダーが厳しくチェック行う。

またブリーダー側も日本と違い、ブリーダー登録の際細かい規定をクリアしなければならないため、安易かつ悪質なパピーミルが出てこないよう法律で徹底されています。

アメリカ

暑さや寒さが厳しい天候下や、餌や水の不足、換気の不十分な自動車に動物を放置または閉じ込めることを違法とする法律。また、動物を救助する場合、自動車への物的損害の責任は問われない。

カルフォルニアの州法では「ペットショップで犬猫ウサギを販売してはいけない」という法律があります。ただし、不妊去勢手術がされていて保護された犬猫ウサギは新しい出会いのためショップに置くことができるようです。

オランダ

折れ耳猫は軟骨の成長障害である骨軟骨異形成症のリスクが高いため。健康を守るための法律です。

鼻の長さが頭蓋骨の長さの3分の1より短い犬を繁殖させることは違法。事実上、血統書付きのパグ、フレンチ・ブルドッグ、イングリッシュ・ブルドッグの繁殖が禁止されることを意味しています。血統書は健康証明書ではない、とオランダ政府が記載しています。

ルールが抑制につながり、人々の意識や配慮が、動物たちの自由につながっている

国境を超えれば、動物たちの当たり前の自由と尊厳が存在する国だってある。

それは誰か個人だけでなく、国全体でルールを取り決め、全体意識として高められ、築かれてきたものだ。

ただ、そんなペット先進国と言われる国も、最初からそうだったわけではない。

日本と同じようにパピーミル(子犬工場)や劣悪な生体販売が元々存在していたのだ。

ならば日本も、犬猫はじめ、生体動物を扱った利益目的の商売は淘汰されていくべきだと思う。

では、先進国に習い、動物の生きやすい国を目指すにはどうしたらいいでしょう?

法律含め、急には全て変えられません。

変化を起こしていくには、まず事実を知り、広めること。

そして、1人1人の意識の底上げや、動物の自由と尊厳への理解と配慮が大切だと思います。

そのためには、まず「飼い主である私たち」がまず日本のペットビジネスや実態を知ることが重要です。

そして迎えたいと思う人へ伝えて広げること。それが変化の第一歩だと私は感じます。

わんこを迎える人の意識

ワンコを迎えた以上は、犬に関する環境や法律、ペット産業に関して決して他人事でなく、飼い主の意識として必ず心に留めておきたい。

それが動物と暮らす上での「理解」であり「責任」じゃないでしょうか。

無知なままなのも、知っていて他人事で見ないふりをするのも、残酷なペット産業のいいエサでしかありません。

国民1人1人がペット事情のバックグラウンドを理解し、生体販売に疑問を持ち、

動物と暮らすことへの意識が高まれば、ペット先進国同様に法律だって変えられるようになる。

私たちは、尊い命を踏み躙り成り立つ、日本のペット産業システムを真っ向から「NO」と言える人でいよう。