ペット業界のハナシ

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ペット業界のハナシ

かわいいの裏側を知ろう

ある日の「疑問」が「違和感」に変わる。

みなさんは、過去にペットショップに立ち寄ったとき、何か感じたことはありませんか?

これだけのわんこ達は一体どこから来てるんだろう?

売れなかった子はどうなるんだろう?

ふとした店員さんのケース裏の作業のチラ見え。

今まで何とも思わなかった光景が、何気ないキッカケで「疑問」と「違和感」に変わります。

当たり前のようにまかり通ってるこのペット産業の実態は、いつだって身近に存在しているんです。

日本のペットショップの裏側

ペットショップは現在、日本全国に9,120店(2022年11月時点)もの数が存在している。

この店舗の数だけ、店頭で販売される犬猫が、数万頭単位で延々と現在まで、交配させては生ませ、展示販売されている。

無責任な命の量産は日本では「普通」に存在しています。

利益目的、コスト重視であるショップ企業は、販売動物を「生き物」でなく「モノ(商品)」として扱う。

命に値をつけて、お金さえ出せばどんな人間だってかえてしまいます。

そして、大量生産の先に待っているのは「売れ残り」という存在です。

残酷にも売れない子は利益にならないため、ショップでは不要され、動物愛護団体へ引き渡されます。

そして、押しつけた後は何もなかったように、また同じことを繰り返します。

世の中には保護犬が多く存在し、一向に無くなりません。

またその理由から、全国の動物愛護施設では資金も人出も足りてない現状があります。

そんな悲しい実態の原因の根幹は、ひとえに

無責任な飼い主の存在以上に、ペットショップという悪質な産業体制が根付いていることが言える。

ペット産業のサイクル

ペットショップで売られているわんこ達はどこからやってくるのか、イメージ図を参考に順番にご説明します。

①悪徳ブリーダー

まず、①「繁殖育成を生業にする」ブリーダーというものが存在します。

ただ、ブリーダーには2種類の人間が存在し「優良」か「パピーミル」か2極化しています。

そして、このペット産業サイクルに混ざってくるものは100%「パピーミル」になります。

「パピーミル」とは何か?

営利目的で愛玩犬を費用を抑えて大量に繁殖させる悪質極まりないブリーダーのことを指します。

そもそも、「優良ブリーダー」は無理な交配や出産はさせず、出産も基本5、6歳くらいまでとしています。

また、こだわりを持って犬種の健康的な血統遺伝子を守り、ペットショップには決して流しません。

ペットショップの子犬が生まれる環境

まずパピーミルの元で生きるわんこ達には自由がありません。

ショップで飾られる子犬達の母親は身動きのとれない狭いケージでの生活を余儀なくされ、交配と出産の為だけに生かされています。

散歩は一切なく、ずーっと身体と同じサイズのケージに入れられ毎日を過ごします。

また、コストを掛けたくない理由ゆえ、犬舎の衛生面は最悪で、そのせいで病気にかかる子もたくさんいます。

病気にかかってもその子に価値がないと見られればそのまま放置だってあります。

人間の金儲け目的のためだけに、無責任な人間により、適当かつ連続した無謀な交配と出産が繰り返され、

犬種本来の特徴(バランス)が失われていくだけでなく、母親が病気もちだろうがお構いなしに出産です。

生まれた子犬が先天性の病気持ちだろうと、その詳細を伏せたまま販売されることもペットショップではあります。

そんな事例があろうとペットショップではアフターケアはありません。

②オークション

ペットショップにやってくる子犬たちは、基本オークションから業者が買い付けし販売しています。

ただ、オークションに売られる子犬は、殆どパピーミルが関係しており、健康でない子犬でも同じように販売されています。

優良なブリーダーの場合、1頭1頭を丁寧に育て、個人で直接やり取りをし、お引き渡しするものです。

③ペットショップ

みなさんの1番身近に存在する子犬を販売する場所、ペットショップ。

その子犬はパピーミルと言われる、犬自体に愛情も興味もない人間が量産繁殖したことにより生まれています。

オークションに売られ、健康かどうかも怪しい個体でも、ペットショップは買い付け、仲介料割増の価格をつけて販売。

ペットショップの子犬が、「なぜこの価格なのか?」考えてみよう

販売価格の内約としては、元の買い付け値に、ペットショップの仲介料を上乗せし、そこから何かしらサービス料を上乗せしたものが多い。

本来の犬種としての個体バランスを大きく崩していても、売れる人気犬種なら割り増しで販売し、適正価格でない場合も割とあります。

子犬が健康だと裏付ける状況証拠も説得材料もペットショップには持ち合わせてない為、

販売時に問題なくてもお迎えした後から時間が経ち、何か問題が起きるケースも少なくないです。

④飼い主

ここでようやくわんこを迎えたいという飼い主と巡り合います。

ただ、これまでの①〜③をよく知らない人からすると、ペットショップは楽しくかわいい場所に写っていると思います。

そして日本のペット流通事情の問題として「お金さえ出せば誰でも買える。」ので、

子犬がどういった人へ迎えられるのか、誰も責任を問われない問題があります。

ということもあり、虐待目的でペットショップで動物を購入していた事件なども実際に存在します。

⑤(売れ残り)動物愛護団体へ受け渡し

大量生産の体制の先に、必ず「売れ残ってしまう子」が存在します。

そんな子のいく先は動物保護施設です。

ペットショップの売れ残りという事情はふせ、保護犬として里親を待ちます。

これが生体販売の実態であり、ずっと保護犬がいなくならない大きな原因の1つです。

家族を迎える、ということ。

上述したペット産業のサイクルは、かなり根深く、利益が出続ける限り無くなることはないでしょう。

でもお迎えする私たち自身も、安易かつ無知でいてはいけません。

わんこの世界は、私たちが想像する以上に過酷で残酷で寂しいものです。

わんこは生まれてくる場所を選べないからこそ、全てのわんこが温かい愛情を受けてしあわせでいられるように。

少しでも救われるために、家族として迎える予定の人も、家族になった人も、

この実態を理解して最後の最後のまで責任をみて一緒に暮らすことを忘れてはなりません。